イルミナムの「荒くれLED チェック治具」のページです。
2004.2.23 edite 2004.2.22 作成
今回使用したコンバータの特性を下に追記しました。
■荒くれLED チェック治具
治具と表現していますが、治具と言えるものではありません。LED のバラツキを確認するバラックなモノです。 (^^;
LED をチェックするため、簡易治具を作成し、LED の 明るさ、Vf(順電流)、色を観察出来るようにしました。
このページは、その簡易治具(荒くれLED チェック治具)の説明ページです。
●なぜ、チェック治具が必要か
現在のLED は、個体差がかなり有り、同一ロット品であっても、色や明るさ、Vf までもがバラついていると言われています。
そのため、真っ白を望んでいるのに、点灯したら緑色だったなどの個体差を事前に選別する必要があります。このため、同じ条件で観察出来るような治具を作り、現在持っているLED を観察し必要に応じて選別出来るように手持ちのLED のデータを取って見ることにしました。
●簡易治具(荒くれLED チェック治具)の作成
1.本体:
2.LED 置き台:
ダンボール箱底部に放熱用のアルミ板(下の写真のオレンジの円筒で嵩上げしています)を置き、その上にStar を直に置くようにしました。
Emitter はアルミ板上ではショートしてしまうので、アクリル板(この円筒をひっくり返すとアクリル板になります)の上に乗せました。このためEmitter は放熱出来ないので温度上昇が早く、それに従い照度が目に見えて落ちてきてしまう事が分かりました。これは、手早く測ることで対応しました。・・・このため、Emitter の照度データは、ちょっと怪しいです。
3.LED 発光用電源:
Superfire SF-101 のLED を外し、そこからコードを延長して測定するLED につなげました。これには、400mA 程度流れる降圧コンバーターが付いています。(今回は、使用電源の電圧が低いため、DMMを直列につなげて測定すると、約160mA でした)
SF-101 の電源は、本来は、定電圧電源が有れば良いのですが、無いので、Pila 150S という公称電圧3.7V のリチウムイオン電池(充電電池)を使用しました。電圧が比較的高いことと、比較的電圧が安定していると考えたからです(実際は、少しづつ電圧が下がります)。
接続の様子
LED と電源との接続は、鉤爪状のプローブ付きコードを使用しています。
4.照射板:
ダンボールの開口部に100円ショップの半透明ファイルケースを乳白板に見立てて被せました。
測定の際は、LED にはコリメータを乗せ(自重で置いているだけです)発光させます。その結果上に被せた乳白色の照射板に光の円が映ります。その光の円を外側から観察しました。
測定の様子
5.測定1 照度:
乳白板のに照射される光の円の中心に照度計を直接置き、照度を測定しました。(上の写真をご参照ください)
中心位置は分かりにくいので、センサー部を動かし最高照度点を探し、そこで測定しました。
なお、照度は、HD もLD も同じ NX-05 コリメータを使っているので、この種類が変わったLED どうしでの照度比較はできません。また、Emitter は、Star に付いているアルミ板が無いため、その板厚分だけ、照射する乳白板と距離が離れます。取りあえず、これは無視しました。
6.測定2 Vf(順電圧):
LED の両極に並列してテスターを入れ、端子間電圧を測定し、Vf としました。なお、ここで見るVf は、Luxeon III の場合、定格の700mA に対し、SF-101からは低い電流しか流れていないため、本来のVf より低く出ています。(Vf' など表示を変えた方が良かったですが、荒くれ治具なので、取りあえずVf と呼んでしまいます)なお、1wの場合は、ほぼ定格だと思います。
7.測定3 色:今回は、目視観察
本来は、この上から三脚に付けたデジカメで乳白板を一定条件で撮影し、その画像上の色成分(RGB)の差を見ることで色の判定が出来るのではないかと考えていたのですが、今回は、昼間のテーブルの下(影になっている場所)で実験したため、写真撮影は次回としました。
今回は、見た目での色合いで判断しました。
■今後の改造について
- 電源が電池なので、時間や負荷の影響を受ける可能性があるため、5v前後の定電圧電源に変更したいと思います。
- 今回は、照度をメーターで測定しましたが、中心点を探すのが大変で、測定誤差も多いと思われるため、今後は、色も含めデジカメ撮影を行い画像処理で明るさを相対比較したいと思います。
- Emitter の温度上昇が気になるので、アルミの丸棒を立ててその先端に乗せることが出来るような部品を追加したいと思います。
- Emitter は、今回使用した鉤爪状のプロープでは安定が悪いので、電極接点の部品を別途作り、簡易固定用部品を作りたいと思います。
- 乳白板は、ちゃんとした樹脂の厚肉板にしたいと思いますが、たわみが出ないような工夫が必要だと思いました。その意味では、現行のファイルケースは案外良い素材かもしれません。
■荒くれLED チェック治具 で測定した DATA
今回の測定結果:
ご注意とお願い:
今回、治具を作り初めて測定した結果です。このため、間違いやデータ測定のバラツキなどが含まれている可能性があります。あくまでも参考値としてご覧下さい。
3W(Luxeon III)は全てHD(ハイドーム)です。LD とHD は同じコリメータを使っているため、それらの照度数値の直接比較は出来ません。コリメータとの相性のため LD のデータが低い数字になっていると思います。
ここでの照度(Lux)は、乳白板の上での照度ですので、別のデータとの比較は出来ません。あくまでも各個体のバラツキを相対比較で見ようとしています。
ここで表示の LuxIII のVf は、電流が定格でないため、本来のVf より低い値になっています。
■SF-101 コンバーターの特性 2004.2.23
今回の治具としてSF-101のコンバータを使用したのですが、3.7V のリチウムイオン電池で使用したところ、出力電流が小さい値であったため、確認のため、そのコンバータの電源電圧と出力電圧の関係を確認しました。
以下のグラフの様に、Vf 3.49V の1w Luxeon を使った状態でのテストでは、4.3V 以上で 380mA から 410mA 流れる回路であることが分かりました。また一方、電源電圧が3.9V では、250mA 程度と 1w Luxeon の定格である 350mA から比べると随分低い電流しか流れないことが分かりました。(LED は、SF-101に付いていたものです)
このことから、今までSF-101 にニッケル水素電池を入れて使っていましたが、3本で3.7 から3.9V のため、十分な出力が得られていないことも分かりました。しかし、アルカリ電池でも、その特性から新品の時だけ明るく、以降急速に暗くなるだろうと推測できました。
●この結果から、今回の治具は、今後継続して使用する場合、電源電圧を5.0V 位とれる定電圧電源を使用すると、色やVf がより一般的なデータとなりそうなことが分かりました。
●このことから、本体のSF-101 のコンバータは、ニッケル水素4本での駆動が良さそうに思えました。ただし、この様な使い方でのコンバータの耐久性能は不明ですので、参考意見と考えてください。
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