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FoxFury さんによる OSRAM OSTAR 3個使用の MF1000 プロトタイプ ライトです。
2006.12.3 作成
このライトは プロライトジャパン(PLJ)さん のご好意で、ドイツのオスラム オプト セミコンダクター社のマルチチップハイパワーLEDの OSTAR を使用しているライトをお借りしてテストをさせて頂きました。
このライトはプロトタイプで仕様・外観の変更の可能性が有ります。
■ FoxFury MF1000 プロトタイプ (12RCR123/15CR123A)
・OSRAM OSTAR "LEW E2B" を3個使っています。
・使用電池:CR123A x 15 本 もしくは RCR123(Li-Ion) x 12 本
・駆動形式:ダイレクトドライブ
注:量産品は、レンズのコーティング、内部の接点などの電気的ロスの改善により照度がさらに高くなる予定だそうです。
PLJさんの FoxFury MF1000 プロトタイプ 紹介ページ
★★★ CR123A 15 本ボディ ★★★
CR123A 15 本 もしくは RCR123(Li-Ion) 電池 12 本 + ダミーセル 3 本




写真:左マグライト2D、右 FoxFury MF1000 プロトタイプ CR123A 15 本ボディ
・全長: 28cm
・重さ: 1.9Kg
・ヘッド部最大径: 10.7cm
・電池ケース外径: 4.9cm
・前面レンズ開口径: 6.6cm
・LED用リフレクター最大内径:約 30mm
★★★ RCR123 12 本ボディ ★★★
注:このボディはバリエーションの一つでしたが、制作しない方向のようです。
RCR123(Li-Ion) 電池 12 本


写真:左マグライト2D、右 FoxFury MF1000 プロトタイプ RCR123(Li-Ion) 12 本ボディ
■ FoxFury MF1000 プロトタイプ (12RCR123/15CR123A)
以下のデータは、本プロトタイプで測定したものです。
★★★ RCR123(Li-Ion) 12本 ★★★
● 壁面照射
右側は、照度を20段階に分けて色分けしたものです。20段階目は黒です。

中心照度は、23,310 29,730 ルクス(50cm)。
● イルミナムインデクス (width:1000 point = 84 degrees)



イルミナムインデクス(勝手規格です)= 9,566,464+ です。
イルミナムインデクスは上記の画像にライトの光のほとんどが入ることを想定していますが、この FoxFury MF1000 プロトタイプ は画像の外にも光が出ています。このため、このイルミナムインデクスはかなり低く出ていることになります。測定限界を超えてしまったためで、悪しからずご了承ください。
● 2Dグラフ

★★★ CR123A 15本 ★★★
● 壁面照射
右側は、照度を20段階に分けて色分けしたものです。20段階目は黒です。

中心照度は、23,3310 ルクス(50cm)。
● イルミナムインデクス (width:1000 point = 84 degrees)



イルミナムインデクス(勝手規格です)= 7,893,600+ です。
イルミナムインデクスは上記の画像にライトの光のほとんどが入ることを想定していますが、この FoxFury MF1000 プロトタイプ は画像の外にも光が出ています。このため、このイルミナムインデクスは低く出ていることになります。測定限界を超えてしまったためで、悪しからずご了承ください。
● 2Dグラフ

■ ライトについて
このライトは、FoxFury 社の MF1000 プロトタイプです。LEDはオスラム オプト セミコンダクター社の4チップLEDの OSTAR LEW E2B を3個使ったダイレクトドライブのライトで、先の「注」にも有りますように量産品は、レンズ(ポリカーボネート製)のコーティング、内部の接点などの電気的ロスの改善により照度がさらに高くなり、現時点で 10 〜 20 %の向上が予定されているそうです。
電池は、CR123A の時は15本、RCR123(Li-Ion)の時は12本を使います。このため、量産を予定しているモデルは CR123 電池を15本使うバッテリーチューブとなるようで、RCR123(Li-Ion) 電池を使用する場合はダミー電池を3本を併用する方法で対応するとの事です。
バッテリーチューブは上記の RCR123 12 本ボディのようなバリエーションが出る可能性もありそうですが、現時点では決まっていないとのことでした。
また、このライトは大きさ同様重さも別格で、約2Kgと重量が有るため片手で扱う場合はかなりの腕力が必要になります。このため、生産型はショルダーストラップが付くそうです。
■ データ・明るさについて
今回測定したデータ中のイルミナムインデクスについて、上記にも有りますように、イルミナムインデクス測定限界を超えてしまいました。このため、今回のイルミナムインデクスは低く出ていますのでこの点をご了承ください。しかし、このライトの明るさは桁違いとは言いませんが従来の最強力タイプの4倍といったクラスで通常のライトとは確実に一線を画すライトです。
また、照射の範囲はとても広く、十分明るい範囲の角度が60°以上に広がります。しかし、集光させるようなタイプではないため、広い場所を明るく均一に照射する感じです。しかし、拡散範囲が広いため中央照度が 23,3310 lx/50cm と物凄く明るいにもかかわらず目が明順応してしまうためか明るさ感が感じにくい印象です。
■ 大きさや素材などについて
このライトは、放熱を十分に取った大きなアルミ製のヘッド(直径10.7cm)が特長です。これは、一般的にLEDの温度特性が温度が上がる事で出力が下がる特性であるため、そもそも4チップLED3個で20〜30Wの入力による発熱が有ることと、消防などでは現場の環境が高温となるため、そのような状況でも光出力の低下を押さえようと考えていると推測出来ます。
私が2年ほど前に行った実験では、Luxeon III を7個使い25W程度で駆動した場合、マグライトのヘッドを一回り大きくした程度のアルミヘッド(フィン付き)を25℃の部屋で点灯させた場合、内部のLED付近の温度は15分程度で100℃を越えました。この当時の効率は現在の1/2程度と考えて良さそうなので、現在は幾分熱が少なくなっているのではないかとは思いますが、20W以上の電力で駆動するLEDの発熱は半端では有りません。このため、この MF1000 位の放熱フィンが異様に大きいことは理解出来ます。なお、本ライトでは短時間での点灯では表面の触れる部分が熱くなるといった温度上昇は有りませんでした。
また、ライトの前面レンズにポリカーボネートを使っています。このライトが消防や軍用などで使用することも考慮に入れれば、高温になったヘッドと前面レンズに水が掛かるなども想定され、このような用途に熱膨張率の高い普通のガラスレンズを使うと割れる可能性があります。このため、ガラスレンズが必要なら大変に高価なクリスタルガラス(石英ガラス)やサファイヤガラスを使用するという選択も考えられますが、販売価格に大きく跳ね返るでしょう。そう考えると衝撃や熱に強いポリカーボ(140℃位までの耐熱性がある)の選択は合理的に思えます。
大きさの比較がし易いように「壱式」と並べてみたのですが、写真では全く大きさのイメージ表現が出来ませんでした(下の写真をご参照ください)。

■ ダイレクトドライブについて
何故、FoxFury 社が今あえて電子回路を使わないダイレクトドライブを採用したかをPLJさんからご説明頂きました。
1:一般的には RCR123 等 Li-Ion 充電池仕様が多くなると予想されます がLi-Ion 充電池の電圧降下が少なく、下手な昇圧コンバーター並みの照度維持が充分可能と判断した様です。効率昇圧コンバーターのロスが無い分、Li-Ion 充電池の保護回路によるシャットダウンが有るにしても有利。
2:軍用の場合は Cr123 と思いますが、照度が下がる事で電池交換の時期が判断し易
い。
3:軍用、消防用共に信頼性重視なのでコンバーターが無ければ信頼性が大幅に向上
する。
設計思想が民生用商品と大幅に異なるという事でしょう・・・、とのことでした。
最後に、このテスト用にライトをお貸し出し下さったPLJさんに感謝いたします。ありがとうございました。
2006.12.3 edit:12RCR の中央照度記載が間違っていましたので修正しました。
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